仕様は完璧には文書化できない
仕様と仕様書をわざと混同させる人が世の中には多いように感じます。
外部仕様を外部仕様書と言い換え、システムテストの項目数が外部仕様書のカバレッジを十分満たすようにし、
自分たちの製造したシステムは要求通りであると主張するテクニックですが、
これは「仕様は完璧に文書化できる」という理解しがたい主張に基づいているわけです。
誰だって良い仕様書を書こうと努力するはずですが、
もともとドキュメンテーションは仕様を伝えるための一つの手段に過ぎず、
仕様書がないと仕様は明らかにならないわけではなく、
また、仕様書さえあれば仕様が明確にできるわけでもありません。
ドキュメントに対しての承認さえ発注者から得られれば、
仕様に対しても承認を得たと解釈しようとするのは、やってはいけないことのひとつです。